しばらくすると、やっと涙もおさまり、トイレから出ることにした。

かなり長い時間 泣いちゃったから、目が赤い。


授業中だということで、廊下は静まり帰っている。



「どうしよう…」



今更、教室には戻りたくない。

《誰?》って感じの目で見られる光景は、簡単に想像がつく。



どこへ行こうかと迷いながら、廊下をふらふらと歩いていると、後ろから名前を呼ばれた。


そう。

確かに《名前》を呼ばれたの。


あたしは嬉しくって、先生だと怒られるだとか、泣き腫らした目を見られるとかは、なにも考えずに、後ろを振り向いた。