「なに言ってんの?まじで転校生なんだろ?ねぇねぇ、名前なんていうの?どっから来たの?」
嘘…
嘘だ。
「…嘘…でしょ?」
泣きたい。
目の奥が、じんわりと熱くなる。
人に忘れられるのが、こんなに辛いなんて…
嫌だ…
先生、隣のクラス、クラスメートの男子…
次は誰…?
誰に忘れられちゃうの?
忘れられたくないよ!
「どうして…?」
あたしの口が、ほとんど無意識に言葉を紡いだ。
周りには聞こえない程、小さな声で。
どうして、みんなあたしを忘れていくの?
なんで?
なんで、あたしがこんな目に合わなけゃいけないの?


