その日の夜は何故かよく眠れず、睡眠不足のまま朝を向かえた。 シャッ 窓を開けると、どんよりした厚い雲が太陽を覆っていた……。 最悪な天気……。 まだ雨は降ってないから近くの店で買い物をしようと外に出た。 ふと自分の部屋の郵便受けを見ると、一通の手紙が入っていた。 『針陏 ゆみ様』 誰からだろうと、裏を見た。 見なかった方が良かったのだろうか? いや、見ないとダメだったんだ。 この手紙を。 『針陏 竜也』 雨が降ってきた。 私は、お兄ちゃんの名前を見つめたまま立ち尽くした……。