「ごめんな」
が、ゆきちゃんの口癖だった。
あたしがちょっとしたことでもすぐ怒っちゃうから、ゆきちゃんがいつも謝る。
いつでも悪いのはあたしの方なのに。
でもゆきちゃんはただ優しくあたしの頭を撫でるから、「ごめんね」も「ありがとう」も言えなかった。
それでもあたしたちは幸せだった。
それが、あたしたちだった。
ゆきちゃんが、大好きだった。
あたしなりに精一杯、素直に愛したつもりだった。
~雪―ゆき―~
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