「…今あなたの後ろに…」

私の恐怖は完全に抜け切っていた。

右足が地球を蹴り飛ばす。

静止状態からの急激な転身に体が軋んだ。

勢いよく回転した私の両目が、私の腕が、私の武器が、この物語の元凶である「それ」を捉える。

マジックミラーごしに確認したのは、メリーさんではない。

文字通り、メリーさんの電話。