空想姉妹

女の子が提示した回避の条件は、不幸を肩代わりしてもらい、事故を見ないことだ。

その条件を受け入れた場合は、これからカナが通る道上では事故が起こらない代わりに、どこか別の場所で事故が起こることになる。

カナにとっては、これから交通事故に巻き込まれるかも知れない誰かを無視して、何も聞かなかった振りをして家に帰ると言う事になる。

「それだけ自信たっぷりに不幸が訪れると言いながら、私の友達が不幸に巻き込まれるかもしれないって曖昧な事を言うのはなんで?」

今まで無表情だと思っていたその女の子の顔は、不気味にもうっすらと笑っていた。

「運命には抗えない、けれど選ぶ事はできる。あなたが選んだ運命によって、結果は変わります。」