”宝石の付いた指輪は高すぎる”と即座に諦めると、
普通のリングが並ぶエリアで足を止めた。

すると店の店員らしき女性が
「プレゼントですか?」と声を掛けてきたので緊張しながら
「そうです」と答えると、
「これなんかどうです? オシャレですよ」と何種類かをケースから取り出して目の前に
並べてくれた。
何点かを手に取って品定めをしていると、
「サイズは何号ぐらいですか?」と言われ、
「えっ サイズ?」とオレはそこで始めて真子の指のサイズを知らない事に気付いた。

「しまった・・・ 指のサイズか・・・ 
しかし本人に指のサイズを聞くわけもいかないしな・・・」

腕組をしながら思案していると、
いっそ指輪はやめてサイズの関係ないネックレスにしようかと迷った。
しかし無様ながらもネックレスは遠い昔に一度贈っている、やはり今回は指輪だ。

そんな風に店員さんの前で悩んでいると、
突然「彼女の体型はどんな感じですか?」と聞いてきた。

恐らく店員さんは悩んでいるオレの姿を見て、その胸の内を読み取ってくれたのだろう。

”ありがたい”と思ったオレは彼女の体型に加え髪型や八重歯があって可愛いくてなど、
指の太さには全く関係のない事まで夢中で話し、
店員さんの微笑で正気に戻り顔を赤くした。