『桜田先輩います?』
席についてすぐに教室のドアから桜田を呼ぶ一人の男
学章をみる限り二年のやつだ
一つ下がなんのようだ?
うつむき加減だった桜田は顔をあげて“私だけど?”と答えた
まだ昼休みで騒がしい教室は二年が来たこともわからない状況
『ぁ…あの…話しがあるんですけどー良かったら今日一緒に帰りません?』
その言葉に俺も浩平もビクッとしたけど
一番高橋がビクッと反応する
顔はうつむいてるものの耳は向こうにって感じ
ほら高橋…気になるんじゃん…別れたら余計気になるんだよ?
なんて言えたら苦労はしてないよな
『へ?話し?…あ…ぅん…わかった』
『ほんとスか?んじゃあ放課後来ますね』
そうニコって笑って言う二年の男は教室をでる際に少しこっちを見て
ニヤっ…
と笑った気がした
気のせいかと思い浩平を見ると浩平も思ったらしく気のせいじゃなかったな、そう思った
うつむいてた高橋には分からない…密かなライバル出現って感じだな
『高橋…お前…どうすんの?』
浩平がゆっくりと高橋に話し始めた
『なにが』
『あの二年…狙ってんよ…お前と桜田が喧嘩してんのも知ってる感じだわあれわ』
机に肘をつき頬に手をあてて答える

