あれから半年が経った




「は~やとッ」
「ん?」
「No.1おめでと~」
「ありがと」




俺は大阪弁から標準語へと変え




部屋も引っ越しした




全てを捨て、仕事に生きた




その結果がNo.1




「最近の隼人ってあんまり笑わないよね~?」
「…大切なものを失ったから」
「なにそれ(笑)」
「冗談(笑)」




「隼人さん、あちらのテーブルに…」
「すぐ行く」




テーブルにいたのは…




「…理奈」
「久しぶりに飲みにきた」
「家で毎日会ってんのに?」
「売り上げに貢献したくて(笑)」




理奈はあれからずっと俺のそばにいる




付き合っているわけじゃない




ただそばにいるだけ…




「…拓也は?」
「いるよ、いつもすぐに帰るけどな」
「ねぇ…隼人はいいの?」
「俺はもう何もいらない」




そう…何もいらない…