「…ちょっとだけ話したいんだけど」




そう言って拓也は俺の隣りに座った




ここは待機室みたいな所




今は開店前だから誰もいない




「綾香のことだけど」
「…お前んちにおるんやろ?」
「知ってたんなら迎えにこいよ」
「今は無理や」
「…お前がそんな態度だから…綾香が不安になるんだよ」




そんなこと言われんでもわかってる




でも今の状態じゃ余計に綾香を不安にさせる




「…それ以上、隼人を責めないで」
「…理奈?」
「拓也にそんなこと言う権利なんてない」
「お前が隼人と綾香を…」
「隼人はずっと私のものだったのッ」




今の理奈は不安定や…




「理奈?俺の部屋いっとけ」
「…うん」




俺は拓也に綾香に必要な最低限の荷物を渡した




「いつか迎えにいく」
「俺はそれまで待つつもりなんてねぇよ?」
「…わかってる」