『お…お兄さん?』


陵が確認をとるみたいに言った。


「そっお兄ちゃん。」


さっきまで流れていた涙はもうすでに止まって、渇きそうだ。


「陵、お兄ちゃん見てなかったからわからなかったんだよ。陵に言ってなかったけどお兄ちゃんは、九頭竜の若頭なの…」


陵の顔がだんだん引きつる。


『九頭竜って…大阪一帯をまとめているのあの九頭竜かっ!!!?』


「そうだよー…。お兄ちゃんの正体知ったら別れるかもしれないと思って今まで黙ってたの…。」


『別れねぇーよ。バカかお前。まあバカにバカって言ってもしゃーねぇか。』


「何よー!!陵のバカ!」


はいっ恒例のしょーもない喧嘩。
これは何年経っても変わらないなあ。あたしは、言い合ってると安心するけどね。楽しいし。