(わぁ...
綺麗な金色だなァ)
思わず、目の前に広がる金髪に見とれてしまった。
「――――綺麗――――なられ...」
「え??何かおっしゃいました...??」
「いや??別に〜」
それでも 目の前の彼はじっと強く私を見ていた。
体に穴が空きそう...。
「あ、あの...??」
「残念だなァ〜」
「え??」
彼はここの料亭の人と思われる美人さんを指差した。
「あんたもあんだけあればいいのにね〜、胸」
刹那、金色が宙を舞った。
「ぬをッ!!??
イッテェェェェェ!!!!」
「初対面の人に言う言葉ですか!!
しかもコンプレックスなのに!!!」
「........」
背負い投げで吹っ飛ばしても怒りは治まらない。
「最ッ低!!!」
「ぐはッ」
最後に鳩尾に拳を入れた。
高そうなスーツ、汚しちゃったかな...??
まァ、でも元々着崩してたし??
自業自得だし??
これくらい許されるよね!!
着崩れてしまった着物のことを忘れ、些かスッキリした足取りで来た道を引き返した。
―――これが私と彼の出会い。
そして ゲーム開始の合図だった。
