コンコン、とドアをノックされる。
 けど、こんな姿見られたくなかった。だから無視した。


「雄太?寝たのか?」


 うん、僕は今寝てるんだ。だから入ってこないでよ。お願いだから!


「大切な話だから、父さん勝手に入るぞ」


 カチャリとドアは開いてしまった。


「寝てないんだろ?声が聞こえてるぞ」


 スーツのまま入ってきた父さんはきっと仕事から帰ってご飯も食べてないし、お風呂にも入ってない。とても疲れた顔をしている。


「どうしたんだ?何があった?」


 けど、疲れた顔を奥に引っ込めて、とても優しい顔になる。僕の一番大好きな父さんの表情だった。