「そっか」


 けど、無感動に答えたほうがいいだろう。


「毎日殴られてるんだ」


 雄太はグッと拳を握り締めながら震えている。


「もやしって馬鹿にされるんだ」


 眼から小さな水滴が零れていく。


「父さんと母さんの悪口を言われて、何も出来なかったんだ」


 水滴がだんだん大きくなっていく。


「僕は――僕は――」


 泣いている息子を冷静に見るのはとても辛い。けど、最後まで言わせてあげたい。