「大丈夫か~~?」


 こけたのは女の子で、その子に優しく手を差し出す少しヤンチャそうな男の子。仲が良いんだろうな。うん、と笑いながら手を掴んで立ち上がる女の子。


「よし、行くぞ!」


「うん!」


 男の子と女の子はまた走り出した。それを羨ましそうに見ている雄太。きっと今は友達もいないんだろうと思う。去年まではよく友達を連れて家に帰ってきていたのに、今年はそんなことないから。


「そこの公園行こうか?」


 すぐ近くに公園があったんだ。ブランコと鉄棒と滑り台と砂場しかない簡素な公園だけど、今は何となく入ったほうがいい気がした。


「――うん」