「ちょっとぉ・・・暗いんですけど~」

「えーごめん・・・」

奈々の文句を暗く受け流すあたし。


・・・昨日のことで、隣の席にもかかわらず今日1日片瀬と話さなかった。

正直、片瀬の顔を見れなかった。
勝手な罪悪感かもしれないけど、あたしは片瀬が好きだから。

だからどうしても、昨日何も言ってあげられなかったことに罪悪感を感じないわけにはいかなかった。


どうしたらいいのかも、分からない。

簡単に口に出来るようなことじゃないから
"助けたい"なんて、結局キレイゴトにしかならないんだ。














―…………



たくさん頭の中でゴチャゴチャ考えても、体は勝手に音楽室へ向かっていた。
『会えるかもしれない』なんて、微かな希望を感じて。





・・・・あたし、会ったらどうするつもりなんだろう。

結局、たくさん考えても変わるものは変わる。
変わらないものは、変わらない。


片瀬に会わなければ、何も進まないんだ。