気づかなかった


気づけなかった







あの家で、どれだけのプレッシャーと戦っていたのだろう。




・・・もう、ボロボロになってたんだ。






彼の奏でる音色に惹かれてここに来たのは、微かでも音色に悲しみを見つけていたからかもしれない。



















足元が抜け落ちるような脱力感と、焦燥感。




彼の手を握り返せなかった、苦しさ。






"好き"なんて、もう2度と言えないような気がした―