叶わなかった恋だと言ってしまえば、それまでかもしれない。 彼が奏でる音色は、こんなにも美しいのに。 ・・・こんなにも、悲しいのに。 彼が求める世界でたった1人の人になりたかった。 好きだった。 彼の奏でる音色が、彼自身が。 あの暖かな音色を求めた。 いつかのあの、彼の笑顔を見るために。 彼の手を、握ってあげるために。