「成二…よく頑張ったね…!」


成二が対策室の扉を開くと、多香子が泣きそうな顔で抱きついてきた。


「た…たか姉…」


声を押し殺しているが、身体が少し震えているのはごまかせない。


成二は姉の肩を2度程叩くと、対策室に見慣れない人間と、対策室を代表する人間だけが勢揃いしている事に気付いた。


「八龍と隊長が集合なんて…思ってたよりも大変な事になってるみたいね」


「明奈さん」


眼を醒ました師匠は対策室をくるりと見渡して、興味なさげに対策室の窓際にあるソファに腰をかける。


「あら、紘子?どうしたの?」


明奈の言葉で静かに眠る姉の存在に気付く。


「こ…こー姉?なんで?」


明奈はしばらく紘子を見つめたあと、対策室を見渡し、一点を見て微笑んだ。


「ははーん…貴女が如月?おおかた、私達が闘ってる間に襲われたかな?」


―――如月?


明奈の視線を辿ると…ソフィの顔が眼に飛び込んだ。


「ソフィ…?」