―――何がどうなってやがる!!


状況がよくわからない。


ハッキリしている事と言えば、西蓮地隊長が“敵”であり、過去の隊長とは違う、という事。


冷静になれ…そう言い聞かせて隊長の顔を見る。


再度みた時、その顔には精気が見られなかった。


「…まさか」


自分の結論に自信が持てない。


むしろ、有り得ないと信じたい。


そう思っているのも束の間、再び敵となった隊長が視界から消え、気付くと頭上に舞っていた。


見上げた時のその姿は、人間の可動域を超えた関節の動きを繰り出している。


体軸はねじれ、歪み、腕は関節という関節を外しているのか、異常なほどに伸びきっている。


「来たれ!!」


108本の剣を再び障壁として纏い、隊長の攻撃を受ける。


素手で突っ込んできた隊長は痛みを知らないのか、剣で深く傷つくのも躊躇わずに障壁に腕を突っ込んだ。


それと同時に、さっきまで抱いていた疑念が、成二の中で確信に至る。


「死体…なんですね」