「ソフィ！」


「え…あ…ちょっと!!」


無理矢理右手を掴み、彼女の手を引いて、近くの江戸城迎賓館に向かう。


この際、成二自身の正体がばれたとしても仕方が無い。


向かってくる敵が、もしかしたら彼女を襲うかもしれない。


そう考えれば、彼女から離れぬ様に、かつ人の目につかない所…江戸城迎賓館に向かうしか選択肢は無かった。


「何処に行くの！？」


答えてる余裕は無い。


霊気と殺気の混じった感情が、初めて感じた時よりも遥かに近付いて来てるのだから。


二人が迎賓館入口に差し掛かると、宮内庁直轄近衛兵が門を守護している。


「宮内庁特例SSSランク、コードAC21、小龍沢だ!!」


成二が叫ぶ暗証コードが聞こえたのだろう、近衛兵が慌てて門を開けてくれた。


「サンキュ！」


「え？え？」


事態が読み込めないソフィには悪いとは思いながら、説明する事無く迎賓館の敷地に駆け込んだ。