今宵、月の照らす街で

「紘子…成二…!」


二人は何も言わず、廉明に向かう。


成二は108の大剣を従え、天叢を握って廉明の右側から剣を薙ぎ払う。


紘子もまた、左側からチャクラムに風を纏いながら素早い体術で廉明を防戦一方に追いやる。


紘子と成二は互いに謀った様なタイミングで“嵐”の波動を放出し、廉明の両サイドにポジションを置いた。


「「嵐月時雨ッ!!!」」


成二の108の大剣と、紘子の108の風の刃が廉明を襲う。


『小賢しイ!!』


廉明はそれをた易く弾き、紘子を突き殺そうとする。


突きのあまりの早さに、廉明の前方が吹き飛び、紘子の腹部に大きな穴が空いた。


しかし、それは残像。


紘子は無数の残像を生み出し、ヒット&アウェイで廉明を翻弄する。


廉明がそれに気を取られている隙に、成二が甲冑の僅かな隙間に天叢の刃を立てる。


廉明の生身の肩関節を斬り、甲冑を身に付けて以来、始めて廉明が血を流す。


『何いいイィぃ!!!』


成二はカウンターを喰らう瞬間に、竜巻を起こして視覚を奪って引き下がる。


二人は多香子の立つ位置まで下がり、竜巻を消し、敵意を剥き出しにする廉明を警戒した。