室長からの言葉に、胸が熱くなる。


室長からの言葉に、胸の鼓動が大きくなる。


「激しくも…冷静なる焔…」


剣一郎の身体から、激しい閃光にも似た爆炎が立ち上がり、その炎は外へとエネルギーを放出せずに身体へと収束する。


「またパワーアップするの?」


アルファが楽しそうに刀を構える。


「大切な事を思い出したからな」


具現化された波動を体内に収束した剣一郎は、アルファとの間合いを詰め、攻撃を仕掛ける。


この闘いで、初めてアルファが完全に後手に回った。


「これは…凄い…ッ!!」


間髪入れず、容赦なく散る炎と爆風、そして、剣撃。


蛍剣一郎に秘められた力の底を目前に、アルファは笑った。


初めて剣を交わした数日前から感じていた、燻った炎。底知れぬ力を感じ、力を引き出そうとしたが、まだ違和感があった。それが本来の姿を見せ、自身に襲い掛かる。


―――俺は命を賭けた闘いを切望していたのかも知れない!


アルファが一歩引き、陰の翼を大きく羽ばたかせた。


突風と共に、アルファが強襲をかける。


下段から掬い上げる刀に対して、剣一郎は体幹を軸に右に一回転する。


剣一郎の視線は、アルファの首筋を凝視していた。