同時刻、京都清水寺。


突然、暗闇をまばゆい光が照らした。そこには微かに青い色が混ざっている。


その光が段々と小さくなると、やがて人の形をかたどった。


その正体は無論、政都宮内庁対策室の面々。その中の一人が、突如倒れ込んだ。


「姉さん!」
「たか姉!」


唐突な指揮官のダウンに、清水の舞台がざわめく。その“ざわめき”が示すのは、声と、もう一つあった。


「や、皆々様。少し人数が足りない様な気がするけど…」


その軽い口調と声色に、いち早く反応し、猛々しい炎が灯った。


「アルファ…!!」


「や、剣一郎!会いたかったよ!」


アルファ。


先日、直仁の腕を切り落とした、張本人は、無限にも拡がっている黒幕…陰や魔の集団を従えていた。


「お、小沢紘子!相変わらず綺麗だね」


「貴方みたいな軽そうな男に興味は無いの」


多香子に寄り添い、膝をつく紘子は、アルファの顔を見る事なく吐き捨てる。


「そういう事だからさ。ちょ〜っと消えて貰えないかな」


明奈を筆頭に、千鶴、桜、剣一郎、京介、結衣、杏里、成二が戦闘体制に入り、前に出る。


「…うん、残念だね」


アルファも両手を広げる。


「君らは全員死ぬことになりそうだ」