政都・東京に戻って数日が経ち、今日からまた高校が始まる。


支度をしなければならないが、布団から出る気も起きない。


温かい布団の中で、もぞもぞしながら寒さから逃れていると、パタパタとスリッパの音が近づいて来た。


「成二、いつまで寝てるの?ご飯、冷めるわよ?」


紘子が部屋の扉を開け、声をかける。


―――眠い。


そのまま再び夢でも見ようかと思ったが、さすがに申し訳ないので、このまま起きる事にした。


「…はよう」


姉に声をかけると、にこっと笑って答えてくれた。


「おはよ。さ、早くおいで?」


寝起きでぐしゃぐしゃの頭をかきながら、机の上にある教科書を鞄に入れる。


忘れ物の無いように確認してから、姉2人の待つリビングに向かった。