嵐月時雨で貫かれた死体は、何故か少し微笑んでいる様に見えた。
―――なんで…?
途端、成二を吐き気が襲う。成二は耐えられず、膝をついた。
―――俺はアンタを…殺したんだぞ?
「せー君!」
うずくまっていた成二の背を、はるかの暖かい掌がさする。
「大丈夫?」
はるかが心配そうに成二の顔を覗き込む。
「俺は…人の闇を斬る刀…そう割り切れば楽だなって…そう思ったけど…」
魔を斬る刀。
それは、成二が行き着いた、自分を維持する為の考え。
それは、成二自身が両親を斬った日に、皮肉にも唯一学んだ事。
だが、今、半鬼を…いや、憑依されただけの人を、一つの武器として殺した筈なのに、最期の笑顔が頭から離れない。
「きっと嬉しかったんだよ」
はるかが呟く。
「キミが最期に言った言葉…半鬼に対してじゃなくて、この人に対して言った言葉。きっと嬉しかったんじゃないかな」
はるかが微笑む。
「無情になる事も大事。でも、こういうのを抱えて生きるのも大事だよ?キミがキミである為にも、ね」
―――なんで…?
途端、成二を吐き気が襲う。成二は耐えられず、膝をついた。
―――俺はアンタを…殺したんだぞ?
「せー君!」
うずくまっていた成二の背を、はるかの暖かい掌がさする。
「大丈夫?」
はるかが心配そうに成二の顔を覗き込む。
「俺は…人の闇を斬る刀…そう割り切れば楽だなって…そう思ったけど…」
魔を斬る刀。
それは、成二が行き着いた、自分を維持する為の考え。
それは、成二自身が両親を斬った日に、皮肉にも唯一学んだ事。
だが、今、半鬼を…いや、憑依されただけの人を、一つの武器として殺した筈なのに、最期の笑顔が頭から離れない。
「きっと嬉しかったんだよ」
はるかが呟く。
「キミが最期に言った言葉…半鬼に対してじゃなくて、この人に対して言った言葉。きっと嬉しかったんじゃないかな」
はるかが微笑む。
「無情になる事も大事。でも、こういうのを抱えて生きるのも大事だよ?キミがキミである為にも、ね」

