最 後 の ラ ブ レ タ ー 。



 教室の空気が一瞬にして静まり返る。

 綾香、夕菜、美幸――この三人は、私と大吾が付き合ってる事が許せないんだ……。


「調子のんなよ、大吾があんたみたいな女を好きになるとでも思ってんの?」

「本当だよ、こんな地味な奴」

「たいして可愛くもないしね」


 ああ、そうか……。私は多くの女子に恨まれる側になってしまったのか。
 
 今更ながら自分の置かれた立場に気づいた。

 私はあまりこういうのに慣れてないので、思わず困惑してしまった。

 こういう時ってどうしたらいいんだろ?


「やだぁー負け惜しみ」


 最初の第一声は真央だった。


「誰が誰と付き合おうと自由じゃん」


 真央のその言葉に、素直に感動してしまう自分。

 自分が言えなかったことを、真央が言ってくれた。

 さすが親友……じーんと心に迫ってくる感情だった。


 周りにいた友達も大勢集まってくれて、味方になってくれた。


「そうだよ! 綾香たち勝手すぎ!」

「自分ら最悪だねー、言っとくけど愛のが魅力あるからー」


 そう言ってくれる友達全員に、本当に感謝したい気持ちでいっぱいになった。