そして

ついに

空港に着いてしまった…


のんびりしている暇もなく
かずやは
さっさと 手続きを済ませ

とうとう……

お別れの時がやってきた…


ふぅ…っと
小さく 溜め息をついて
かずやは言った。


「よしっ!
じゃあ
ちょっくら行ってくるわ!」

「かずや、向こうに着いて
落ち着いたら
ちゃんと
連絡するんだぞ」

父親の顔になっている
ゆうじさんが 言った。

私は・・・


かずやの顔を
見ることが
できなかった…

そんな私を見て
かずやは また笑っていた…


「オイオイ、
頑張れの一言ぐらい
言ってくれよー。
ったく…
いつまで泣いてんだよ」


『…うん…
が…がんば…って…ね…』

声にならないような声で
私は言った−−


「ハハハッ!
お前の その
ブサイクな顔
向こうに行っても
忘れねーよ。
まっ 一年たったら
とりあえず
帰ってくっから。
落ち着いたら連絡するよ。
じゃーな、父さん。
…じゃーな…エリ…。」

かずやは そう言って
私達に背を向けた−−−