昔の事を色々と
考えているうちに
すっかり時間が
経ってしまっていた。

まだ家に帰りたくなかった私は
夜10時をまわると言うのに
堂々と制服姿のまま
夜の町を歩いていた−−−


ゲーセンに行き
一時間近く経つ頃
そろそろ帰ろうと思って
歩きだした−−

その時


後ろから
誰かが声をかけてきた…。


「ちょっとキミ!こんな時間に
何してるの!?
ひとり?危ないよ!!」


なんだろう?
おまわりさん??

それとも

エンコーのお誘い??

『ふぅー』と小さく
ため息をつきながら
振り返ってみると
ひとりのオジさんが
目を大きく開いて
私を見ている。

しかも、ちょっと
怒っている様子だ…

−−なに?このオヤジ……−−


『オジさん……だれ?』
と聞くと

「オジさんは誰でもない!」
と、訳のわからない言葉が
返ってきた……

思わず
『プッ…』と笑ってしまった。
と同時に
オジさんの表情が
少し緩んだ。