「エリ…。
俺さ ぶっちゃけ
お前のこと
好きだったんだ。
彼女と別れてから
ずっと…。
お前が彼氏の事を
めちゃめちゃ好きなのは
わかってたけど
それでも いつか
振り向かせたいって
思ってた。
んで、父さんには
《今日 連れていく子は
俺の好きな子だから
恥かかせんな》って
言ってあったんだ。
それが…こんな事に
なっちまってよ…
父さんになんて
勝てるわけねーし
第一…
エリが彼氏の事を
どれだけ好きか…
どれだけ愛してるか…
散々 聞かされてきたしな…
その彼氏が
父さんだったなんてなぁ…
親子で一緒のヤツに
惚れるなんて
まさに《親子》って
感じだよな・・・
てゆーか、俺
恋愛どころじゃ
なかったんだよなぁ−
実はさ、
アメリカに留学
できる事になったんだ。
俺…バンドじゃなくて
シンガーソングライター
目指す事にしてさ。
だからアメリカで
勉強しようって
思ってたんだけど…
エリと離れたくないって
思って ずっと
悩んでた…。
でも… 俺、今
目ぇ 覚めたわ。
せっかくのチャンス…
無駄にしなくないし…
エリの事は 父さんがいるから
安心して 俺
アメリカ行けるよ。
だから まぁー
二人で仲良くやってくれや」

かずやは優しく微笑んだ…