待ち合わせ場所は
喫茶店と言うよりも
ファミレスのような感じで
ずいぶんと
にぎやかな所だ。
私とかずやは
タクシーで来たが
道が混んでいたため
10分程 遅れてしまった。

急いでタクシーを降り
店の前に 立った。

かずやの緊張は
ピークに達している様子だ…

思わず 私まで
ゴクリ…と
ツバを飲み込んでしまう程
かずやの顔は
強張っていた…。


なかなか
前に進めないでいる
かずやの 背中を
ポン と軽く押し
『行くよ!』と言って
店に入った…。


店員さんが
足早に駆け寄ってきた。

「お二人様ですか?」と
聞かれるが
『待ち合わせなんで』と
軽く答え

店内を見渡す。

どれだ??

どれが
かずやのお父さんだ?


「まだ来てないみたいだわ」と
かずやが言う。

二人の緊張が
一気に緩んだ瞬間


後ろから
ガガーっと
自動ドアの開く音がした−−