『お母さん…
私の誕生日…
覚えてたんだなぁ…』


そう、今月の
4月24日は
私の17才の誕生日だ。

運良く 24日は
日曜日だったので
前日の23日から
泊まりがけで
ゆうじさんと
お祝いをする約束をしていた。


けど…まさか
母が 私の誕生日なんて
覚えているとは
思いもしなかった。


さっそく この事を
ゆうじさんに話してみた。


「やっぱり…
なんだかんだ言っても
《母と娘》って言う事は
変えられない事だからね。
お母さんだって
エリちゃんの事は
一時も忘れた事なんて
ないと思うよ?
血が繋がってるって
言う事は
例え 遠く離れていても
ちゃんと《つながってる》
って言う事だと思うよ!」


私は その言葉に
少し納得した。

「また今度
電話できるといーね!」
なんて
ゆうじさんは言っていたけど…


…また 今度かぁ…

何か キッカケや
口実がないと
そう 簡単には
電話なんて できそうもないが
《また今度》
と言う日が
いつの日か来ればいいな…と
ひそかに
心の中で 思っていた。


去年の夏
消去したハズの母親…

だけど・・・

心の奥底では
ちゃんと《保存》
していたのかもしれない…


ゆうじさんの言った通り
《血の繋がり》は
一生 避ける事が
できないものなんだ…

また今度……

電話…できるといいなぁ…!!