私はびっくりした


本当にびっくりした


てっきり

幸せなお坊ちゃんだと

思っていたから……


『……そうだったんだ…。
ちょっと似たような境遇で
驚いたよ。
かずやも色々
大変だったんだね…
けど、何で今まで
言ってくれなかったの?』


「いや、本当は
言いたかったんだけどさ、
なんか…
エリの話 聞いたら
言いづらくなってさ…」


『別に 気ぃ使わないで
良かったのに…。
……お父さんに
会いたいって思う?』

「んー…
会いたいとは思わないけど
母さん死んでからは
一応…面倒みてもらってるし…
いつか 礼ぐらいは
言いたいなって思うよ」

『ふーん…。そうなんだ…。
私は…
母親にお礼なんて
言いたくない。
ずっと育ててきてもらって
今だって生活費くれてるけど
感謝の気持ちなんて
これっぽっちもない…。
かずやはエライよ…。』


「まぁー…あれだな。
俺達 似た者同士だな。
だから これからも
頑張っていこうって感じだな!」

『うん……
そうだよね…。
でも かずやは
これからは本当に
バンド一筋で頑張らないとね!
バンドで成功するのが
夢なんだよね?』

「うん…成功させたいなぁ…」

『そうさせたい…
そうなりたいって気持ちが
大事なんだよ!!』


私は自分自身に
言い聞かせるように

そう言った…。

「ありがとな。エリと話したら
ちょっとスッキリしたわ!」


こうして
似た者同士の二人は
自分の夢や目標を胸に…
頑張っていこうと
決意をした…。