私の名前はエリ

16才

高校一年の女子高生。

父の仕事の都合で、高校入学と同時に
この町に引っ越してきた。

もともと 友達と《つるむ》のは
苦手だったため

いつも ひとりでいた。

しかし 父の自殺の事が
ウワサになってしまい
ますます ひとりになってしまった


私に話しかけてくる人は
誰もいない。


父が死んだあと、母は
どこかへ行ってしまった

失踪ではないが、何やら
恋人らしき人の所へ
行ったようだ。


家を出て行く時
母は こんな事を言った。

「エリ、お金の心配は
 しなくてもいいわ。
あんたがハタチになるまでは
ちゃんとお金送るから。
そのかわり
全部 自分でしなさいよ。
光熱費とか 必要なものは
すべて あんたの口座から
引き落としされる事になってるから。
作っといたのよ、あんたの口座。
はい、これ」

そう言って通帳と
キャッシュカードを
乱暴に 私の手に押し付けた。