かずやの歌は…

私達の事を

唄っていた…



《未来に向かって》



ねぇ、かずや…

私達に未来なんて

あるのかな…。


隣にいる
ゆうじさんは…

ただ 黙って
目をつぶり

かずやの歌を
聴いていた・・・


歌い終わった
かずやの目にも

うっすらと
涙が 浮かんでいた。


「ま、こんな感じだ」
と、照れながら
かずやは言った。


涙を拭いながら
私は言った。

『すごいじゃん、かずや!
めちゃめちゃ
良い曲だったよ!
ね?お父さん。』

「確かに、
俺の息子ながら
感心しちゃったよ。
うん、いい曲だった」


ゆうじさんは
ニッコリ微笑んで
そう 言った。