しかし…もう五日も
経っているのに
ゆうじさんの反応は
まだ鈍かった。


たまに「あ」とか
声を出す程度……

私達の事も よく
わかっていないようだった…


医者は
「すぐ声も出せるようになる」と
言っていたが・・・


その通り…
翌日…
ゆうじさんは
言葉を発した…


一年半ぶりに聞いた…

ゆうじさんの声……


しかし…第一声には
あまりにもショックだった…


「君達…誰…?」


私達が誰なのか
わからないだけではなく…

ここがどこで

自分が誰なのかも

まったく
わかっていなかった…


そう…

記憶喪失だった−−