「思い出に
良いも悪いもねーよ。
良くたって…悪くたって…
その思い出を
しまう所は
ひとつしかない。
エリの心の中にしか
しまえない。
だから…
良くするも 悪くするも…
自分次第なんだよ…
きっと…。
幸せだったんなら
それでいいじゃん。」


『そっか…


そうだよね…。
ありがと、かずや』


今日は
ゆうじさんの事故から
ちょうど一年半だ…

いつものように
私とかずやは
ゆうじさんの病室にいた。

私が トイレに
行っている間…

何やら廊下が騒がしくなった。


かずやの声が聞こえた−−


「エリ!
 エリ!
父さん 目が覚めたよ!!
エリ!!!早く!!」


『……え!?』