父が死んでから
半年が経つ−−



今日はクリスマスイブだ。

街は これでもか!!
と言うぐらい
イルミネーションと
カップルで溢れていた。


幸せ一杯の街の中にいるのが
なんだか苦しくて
私は知らず知らずに
何度もため息をついていた……


バイト中
そんな私の姿を見ていた
かずやは

「ため息ついたら
幸せが逃げていくんだぞ」
と言って
ポンッと軽く
頭を叩いてきた。


『幸せだったら
ため息なんてつかないよ。
幸せじゃないから
ため息でちゃうんだよ』

私がムスっとした表情で言うと

「…何かあったのか?」
と、かずやは
心配そうな顔をした。


『んー…べっつにぃ〜
幸せなかずやには
言ってもわかってもらえないよ。
気にしないで』

「なんかイヤミったらしいな…
よし!バイト終わったら
ちょっと話すべ!!」

『あんた、今日
クリスマスイブだよ?
彼女どうしたのさ?』