『……お母さん…
今でも ゆうじさんの事
好きなの…?』


「そんな訳ないじゃない。
あの当時は
寝ても覚めても
ゆうじだったけどね。」


ゆうじが口を開いた



「お前…
俺が今まで
どれだけ苦しんだか
わかるか…?
確かに…
あの頃…俺はお前の事を
本気で愛せなかった。
だけど、お前のお腹の中の
子供は…
俺の子なんだ…って
ずっと思ってた…
何年経ったって
産ませてあげられなかった事で
自分を責めてきた…
心の中で
俺は ずっと…
《自分の子供》に
語りかけてきたんだ…
産ませてあげられなくて
ごめん…
また 次も…
俺の子供として
巡り会いたい…
本当に 申し訳ない…
ずーっと……
そう思い続けてきた…

それが…本当は
中絶はしないで
産んでた…
しかも…それが
自分の愛した人だった…

こんな事…
あってはならない事だ…」