『あんたが
 お父さんを殺したんだ…
あんたがお父さんを
自殺にまで追い込んだ…
………
 あんたなんか いなければ…
あんたなんか いなければ
こんな事には ならなかった!』


目からは 大粒の涙が
ボロボロと こぼれていた

そんな私に向かって

母は言った。

ニヤリとし、鼻で「フンッ」と
軽く笑って

こう言い放った。

「何 言ってんの?
あたしがいなきゃ、あんたなんて
この世に存在してないのよ?」


私は

私の中の母親と言う《モノ》を

消去した。

私は母を許さない

イヤ…こいつはもう
母親なんかじゃない…

お父さんを自殺にまで追い込み…

死んでしまった今…

この瞬間…

…こいつは笑っている…

私はこいつを一生許さない

一生 恨んで 憎んでやる

そう 心に決めた

16才の夏だった−−−