あの日、帰ろうとした時、転校生狩りメンバー…学校内では裏音メンと呼ばれている。
裏音メンの数人が土屋亜珠の話をしてた。
どうやら私の顔はしらないみたいで。
『土屋亜珠くるのかなぁ』
『手紙に佐伯沙雪って書いたしくるんじゃないー?
仲良い奴らしいしー』
『あああー男子だけでやるとかつまんないんだけどぉー』
アタシの名前を使って土屋亜珠を…?
ふざけんな。
私は慌てて化学準備室に向かった。
化学準備室は裏音メンのたまり場。
土屋亜珠に裏音メンの話しとけば良かったか…。
必死に走っていると安西とぶつかった。
「いってぇ誰だ…佐伯。どーしたんだよそんな走って。」
「ハァ…ハァ…関係ない」
「土屋亜珠チャンか?」
誤魔化す意味もない。と頷いて再び走りだす。化学準備室のドアは鍵がかかっていて開かない。
「ちょっと退けろ」
安西が思いっきりドアを殴るとドアは開いた…。
力どんだけあんだよ…と心ん中で突っ込みながら
中へ入った。
土屋亜珠は涙目で震えていた。
そして中にいた男子を片っ端から殴った。喧嘩は慣れている。
小学校からずっとやっているから。
そこらの男子よりは強いと思う。
でも幾ら倒しても底を尽きないのが裏音。
次の転校生が入ってくるまでずっと土屋亜珠をターゲットにし続けるだろう。
仕方ないから守る事にした。
なのに何故かアイツも言葉がはもった。
そして2人で協力して助けたと思った土屋亜珠はアタシ達をヒーローにした。
裏音の事は先生も目をつぶっている。ただの立場の弱い先公だ。裏音の総リーダーは皆知らない。メンバーも底を尽きない。誰がメンバーかさえ確かではない。だからアタシが土屋亜珠を守らなければ行けない。
あの日アタシが土屋亜珠を学校案内した理由は先公に言われたから。なんでアタシ!?と思ったけど、考えれば同じ部屋だからだろう。
そのお陰で護衛をしなければいけないけど
ま良い暇潰しにはなりそうだから、良いかな。なんて考えた。
そして土屋亜珠は健也に惚れている。健也は裏音の女子生徒にも人気あるから、好きだなんて知れたら恐ろしいだろうな…。今は応援したいから、言わないけど。
アタシが人の恋愛応援するとか気持ち悪いな…。
