「はい、これ」


 和也さんから渡されたのは明らかにチューハイのグラス。


 高校生にお酒飲ませていいのか?


 とか思いつつも、ちゃとかりグラスを受け取るあたし。


「あ、ありがとうございます」


 そうは言ったものの、あたし、お酒飲めないんだよね……。


 と、いうか。

 飲む機会なんてなかったしさ。


 だってあたしは健全な女子高生だし。


 でも、せっかく貰ったわけだし飲まないわけには行かない…よね?


 少しの間悩んだ結果、「少しくらいなら大丈夫だろう」……という結果に。


……よし!!


 意を決してグラスに口をつけ、少しだけ口に含んだ。


 甘い青りんごチューハイの味が口の中に広がる。

わ…っ、おいし。


「気に入った?」



 焼酎を飲みながら、枝豆をつまんでいる和也さん。


「はい、すごいおいしいです!」


「それはよかった」


 そう言って、ニカッと人懐っこい笑顔を見せる和也さん。


 そのスキンヘッドのルックスからは想像できないほどの無垢な笑顔だ。

 あらら?意外とかわいい。

……って馬鹿馬鹿馬鹿!

 あたし何ときめいちゃってんのよ。