辛い過去が?



苦しい過去が?



悲しい過去が?



「宝物?」



「そうだ。その宝物はなぁ、いつかお前の大切な人と一緒に積み上げていくんだ。親から子へ、それは何代にも渡って積み上げられた財産や家宝にもなっていくんだ。」



「でも1人で無理して受け止めようとしなくていいのよ。あたしたちも一緒に受け止めてあげるから。」



「…………一緒に………」



その一言を言った瞬間頬に冷たい雫が流れおちていった。



とめどなく流れる涙はもう枯れたと思ってたのに。その涙はとまる事なく次から次へあたしの頬をつたって膝に落ちていく。



何年ぶりに泣いたんだろう。