何処にでもあるラブストーリー

なんだか昨日は良く眠れなかった。 別れ話をした彼氏の駿のことも気になっていたし、館崎さんに、言われた事も、私が館崎さんに怒ってしまった事も、気になっていた。 

「可哀相・・・」わたしが別れ話を持ちかけた駿を思いやる、彼の立場にたった優しいその一言が、私には、辛い一言だった。 わたしだって辛いのに・・・。 

その日の朝、早めに会社に着いた時、私の部には、まだ誰も着ていなかった。 なんとなく、うれしい気分になり、いつも使っているバックを机の脇に置き、雑務・・・交通費の請求と、タイムカードの無打刻の部分をチェックし、諸届届けを記入していた。