何処にでもあるラブストーリー

封筒の中から佐渡島へ駿といった時の写真が出てきた。 大学2年の夏に始めて2人で、旅行にいった時の写真。 曇った空と日本海の茶色っぽい海をバックに駿はふざけて買った麦わら帽子を被り、ちょっと日に焼けた腕を私の肩に手を回ていた。 

私は無地の白いTシャツと膝までのデニムを履いて、意味無くVサインをしている。 二人とも幼く見える、そんな懐かしい写真だ。  

そして駿の見慣れた丁寧な字の書かれた便箋に書かれた手紙。 古い写真と手紙。それが封筒の中身だった。