雅人のつむじを見つめ

唖然となった。







「…そんなことで?」



「…………………え?」





素っ頓狂な声を上げ

目を見開く雅人。






「そんなことで?みんなに頼んだの?ていうか、みんなって誰?」


「え…クラスの奴とか、きょんと仲いい人…とか?」






私の様子を伺いながら

おそるおそる雅人は

そう告げた。





「え?うそ。なんでぇ?すごく悲しかったんだよー?」





わざとらしく困った顔を見せると

雅人は子供のように

何度も

ごめんねごめんね

と謝った。








そんな顔で言われると

嫌でも許してしまうじゃん…。








「ていうか。」


「何?」


「クラスのみんなに頼んだんでしょ?何か怪しまれたりしなかったの?」


「怪しむ?何を?」


「いや…その、冷やかしとか。」


「何で?」







………………何で!?

何で?って…………






予想外の答えが返ってきた。

怪しまれて、ちょっと照れたー

とかっていう反応が

返ってくるって思っていたから…。







「みんな、俺がきょんのことって知ってっから、怪しむ必要ねぇし。」








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