「あ。あと一個…謝ることあんだけど。」








少しだけ声のトーンを下げて


雅人は口を開く。








「…何?」









謝られることされたっけ?



と思いながら

そちらの話に耳を傾けた。








「寄せ書き…」



「ヨセガキ?」



「あぁ…誰にもされなかったよな?」



「…うん。…雅人、もしかして何か関係してるの?」








本当にショックだった出来事。




寄せ書きの件。







友達として見てもらえなかったんだ

と思っていんだから。






悲しかったこと。




雅人が関係してるなんて

全く予想もしていなかった分

現在の衝撃がとても大きい。







「ど、どうして?」



「俺が頼んだんだ。きょんのには書かないでくれって…。」






雅人は小さくなりながら

私に事情説明をする。






一度も目を合わせない雅人。






いくら雅人でも

やっていいことと

悪いことがあるのに…。





「なんで?」






内心驚きのあまり

少し尖った口調になってしまう。





言葉を発した直後

きつかったと後悔したが

既に遅かった。








半分



雅人の顔が



引きつった。









「あの……きょんの卒アルには俺が一番に書きたくて…たくさん。」







でも

うまくタイミングが掴めなくて

周りのみんなも

きょんに書きたかったはずなのに
俺一人の身勝手で…






「ごめん!」




両手をパンッと合わせ

頭を下げた雅人。







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