それしか言える言葉がなかった。
「……きょん。」
そういって雅人はまた
私をやさしく抱き締めてくれた。
強く、ゆっくりと…。
し、信じられない………。
今
た、たったたたった今
雅人の腕のなかにいる現実が嘘のようで
あり得なく
この世にないくらいの
幸せだった。
雅人…
雅人…
雅人…━
雅人━━………
心の中でずっとずっと名前を呼び続ける。
現実を噛み締めるかのように
ずっとずっと名前を呼び続けた。
こんなに幸せだって感じたのは
久しぶり。
雅人いると
心臓いくらってめ足らないよ。
前も今も
きっとこれからも
幸せだと
実感できるのは
やっぱり雅人だからなんだ。
.

