真っすぐに見つめるきれいな瞳は
確実に雅人のそのもので。
返す言葉が見つからなかった。
「………。」
「きょんは俺のこと…嫌い?」
そんなはずない━━━
言いたいんだけど
あまりの緊張で
喉が張りついて声が出ない。
息をするのも大変だった。
でも
返さなきゃ━…
ちゃんと返さなきゃ━…
わたしの気持ちも。
せっかく雅人が私に
好きだって気持ちくれたんだから
私も伝えなきゃ。
そう思ったら
自然と両腕が伸び
雅人の胴体に
しがみ付く状態になっていた。
目を瞑り
精神を落ち着かせる。
「きょん?」
これが私なりの返し方。
なのに不安に満ちた声が
頭上から聞こえ
腕の力を緩めた。
「きょん、言葉でいってくんないと、俺わかんない。」
「…え。」
「言って?」
わざとなのだろうか。
いたずらな笑みに
クラリとしながら
心臓の音に負けじと
勇気を振り絞って声を出した。
…………。
息を大きく吸い込む。
「わ、わわわわ私も……好きだ、よ。」
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