誰もいない静かな教室。 ぎゅっとブラウス越しに触れる肌は とても温かな熱を持っていた。 こんなに雅人の熱を 直に感じることは初めてで。 初めてだからこそ 心臓が破れちゃいそうなほど 音を立てて動いていた。 「きょんのこと好き…俺。」 囁かれた小さな声。 今…… 今━…思考がやっと働きはじめる。 雅人が私を……好き… 好き? 雅人が…? 抱き締められながら けかんな風に考えるのは 容易ではなかった。 一度 身体を離す。 「きょんじゃないと、意味なかった。勉強も、何もかも。」 .